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「あつあつ鍋クイズ」

07 01, 2012
「見舞い」の続きのようなお話です。

遅れましたが、かもかて三周年おめでとうございました!
せっかくなのでかもかてクイズに便乗して、三周年記念的な短文にしようと思ったのですが、なんかすみません……。

拍手もありがとうございました!
とても励みになります。

****

体調を崩して一週間ほど寝込んでしまった。

ようやく回復してきた頃、そういえば誰も見舞いに来なかったことを思い返して複雑な気分になる。前にノースタスが風邪をひいたときには、鍋を持って見舞いに行ってあげたのに、なんて薄情な話だろう。今度顔を合わせたら恨み言の一つでも言ってやろうか。

そんなことを考えながら昼食を取ろうと立ち上がったときだった。ちょうど扉を叩く音がして、ローニカが顔を覗かせる。

「レハト様。お見舞いの方がいらっしゃっておりますが、どういたしますか?」

なんというタイミングだろうか。もはや体調は良くなってしまったが、来てくれたのなら拒む理由はない。相手の名前を聞くより先に通してくれと伝えると、やがてローニカに伴われて背の高い人影が姿を現した。

「失礼いたします、候補者様」

礼儀正しく一礼して入ってきたのは、まさにノースタスだった。その後ろから、ひらひらと手を振ってハイラが続いてくる。
私の念が届いたのだろうか。ちょうど彼らが見舞いに来ないのを恨んでいたところだったから、嬉しさを隠しきれない。

「その、貴方とは正直さほど親しくないとはいえ、しばらく体調を崩されているとお聞きしたものですから、見舞いに伺うのが臣下としての務めかと思いまして」

ノースタスがツンデレを発揮している。両手に小鍋を抱えているところを見ると、なんだかんだ言ってこの前の鍋見舞いのお返しに来てくれたらしい。

「いやー、しばらく顔見ないなと思ったら体調崩してるっていうから、衛士連中から誰か見舞いに行かせようって話になって、つまるところジャンケンで負けちゃったんだよね。私が」

負けた奴が来るって罰ゲームかよ。
二人のあまりの物言いにローニカが眉をひそめたが、大丈夫だからと言い包めて応接間で控えていてもらう。侍従頭がいなくなった途端、ハイラが遠慮なく室内を見回して、適当に椅子を持ってきて腰を掛けた。

「ま、思ったより元気そうで良かったよ。お約束というかなんというか、昼食まだだろうと思って持ってきてあげたんだけど。どうする?」

まだ鍋を持って突っ立っているノースタスを顎でしゃくり、尋ねてくる。ちょうどお腹が空いていたからもちろん食べると答えると、ノースタスが鍋を机に置いて匙を用意してくれた。
蓋を取り上げると、湯気と共に美味しそうな香りが漂ってくる。ここまで運んできたのに関わらず、やはり鍋はぐっつぐつのあっつあつだった。

「はい駄目」

匙で肉をすくった瞬間だった。ハイラに手首を掴まれ、今まさに口に運ぼうとしていた肉が鍋に落ちる。その拍子に汁がノースタスの顔に飛び、「あつっ!」と叫んで仰け反った。

「せっかくだからクイズ形式にしようよ。あつあつ鍋クイズ。どう?」

はい?
一体何を言い出したのだろう。意味が分からず不審そうに見上げるが、ハイラは鍋の蓋を閉めてにっこりと首を傾げる。全然可愛くなかった。

「いい? 私が軽ーくクイズを出すから、先輩とあんたが具を取り合って答えるの。当たってたら食べていいけど、不正解だったら私が食べます」

本当に意味が分からなかった。
確かこの人は見舞いに来てくれたはずだが、なぜ私の部屋でクイズ大会が開催される流れになるのだろう。しかも具を取り合うって、それいつもの衛士たちの炊き出しと一緒じゃないか。

「候補者様にそんな無礼なこと……だが仕方あるまい。我々も昼食をお預けにしてここに来ているのだからな」
「じゃあ第一問」

始まっちゃったー!!
ついていけない私を置いて、お腹を空かせているらしい衛士二人は臨戦態勢に入っていた。

****

「グレちゃんが昼食の買出しのため徒歩で城下へ向かいました。帰る途中、雨が降ってきたので早足になり、徒歩と比べて1.2倍の速度で城に戻りました。さて、グレちゃんのフルネームは全部で何文字?」

行きが徒歩で帰りがその1.2倍なら……あれ? これ前半ほとんど関係ないな。

よく分からないが食欲に勝てなかった私は、仕方なくクイズに付き合うことにした。匙を構えてノースタスと睨み合い、ハイラの出題に頭を働かせる。
とりあえず冷静に考えると、「グレオニー・サリダ=ルクエス」で12文字だが、「・」や「=」は勘定に含まれるのだろうか。含まれるのなら14文字だが、「グレオニー」の「ー」を数えるかどうかでまた違って……。

「12文字」
「正解」

含まない方だった。
考え込んでいるうちに、正解したノースタスが目の前で肉を食べてしまう。ハイラに取られるよりマシだが、よりによって肉を……。

「第二問。衛士には大まかに分けて三種類のタイプがあります。アホ型、防御型、フェイント型、さて私は何人兄弟の何番目?」

知らーん!!
もはや正解させる気がないような難題ばかりだった。

****

目の前に空になった鍋が置いてある。
鍋を挟んで向かい合った私とノースタスは消沈し、ハイラが満足そうに笑みを浮かべている。

「終了ー。ご馳走様でした」

結局、ほとんどハイラに食われてしまった。争っている最中は気づかなかったが、よく考えたら全ては出題するハイラの匙加減だったわけで、まんまと手の平で踊らされてしまったことになる。

「いやいや、ここあんたの自室じゃん。アウェイでよく戦ったよ、私らも」

審判お前だったじゃん。
ハイラを恨みがましく睨み、空腹を抱えてぐったりと肩を落とす。もう疲れた。鍋は食べられなかったが、ローニカにお願いして何か別のものを用意してもらおう……。

「公平な勝負で負けたんだ、俺は夜まで何も食べずにおこう。それが敗者としての務めだ」

ノースタスが余計なことを言い出した。
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衛士さんがとても好きです。
teracottaうpロダにて、二次創作キット作品を上げております。

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