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「花」

01 20, 2014
明けましておめでとうございます!
なんだかまた放置してしまってすみません。
拍手もありがとうございました!

最近またかもかてをプレイしてて、憎悪ルート → 勝手に反転して最終日に告白プレイにはまってます。
これやるとキャラからは変わらず嫌われてるのに、なんで急に告白してきたの? キモイ! みたいな反応をしてくれて、擬似ツンデレを楽しめます。

そして続きから久しぶりの短文です。
寝起きのハイラのお話です。

****

手に持った花を握り締めて、廊下の柱に隠れている。
初めて足を踏み入れる使用人棟は、まだ早朝のためか人影もまばらだった。

目指すはグレオニーの自室だ。
来たことがないから場所は分からないが、きっと扉に名前の書かれたプレートがかかっているに違いない。それを頼りにグレオニーの部屋を見つけ出そう。

そんな早計で、僕は使用人棟に忍び込んでいた。
今日はまだ日の出きっていない頃に目が覚めてしまい、散歩がてら中庭へ出かけたところ、偶然出会った庭師に綺麗な花をもらったのだ。早朝にだけ花を咲かせる珍しいもので、なかなかお目にかかれないらしい。自分の部屋に飾るのも良かったが、大好きなグレオニーにプレゼントしようと思いついたのだ。

人がいないのを見計らい、扉のプレートを確認しようと手短な部屋の前へ駆け寄った。
しかし、見上げて愕然とする。……どの扉にもプレートが見当たらない。

ここまで来てまさかの事態だった。花を渡すだけなら訓練場でグレオニーを待つのが手っ取り早いが、本当のところ、彼の自室に入ってみたかったのだ。普通にお願いしたのでは断られるのは目に見えているし、これはいい作戦だと思ったのに。

僕はしょんぼりしながら、廊下を戻ろうと踵を返した。しかし、廊下の角で使用人が立ち話しているのが目に入り、とっさに柱に隠れる。……まずい。見つかったらリリアノのところへ突き出される。

「うわあ。あんたこんなとこで何してんの」

と、急に背後から掛けられた声に、びくりと身をすくめる。
おっかなびっくり振り返れば、そこには見知った顔があった。寝巻き姿のハイラが気だるそうに立っている。

見つかったのが知り合いだったことに安堵して、僕は早口で事情を説明しようとした。焦りすぎたせいかおかしな言葉遣いになってしまい、ほとんど伝わらなかったようだが。

「なんかよく分かんないけど、誰かに見つかったらまずいから、あー、どうしよ。とにかくこっち」

寝起きのハイラは負けず劣らず要領の得ないことを言って、僕の腕を掴んだ。

****

匿われたのはハイラの自室だった。こざっぱりとした物の少ない部屋で、意外にもよく片付いている。
とりあえず、ここならゆっくり話ができるだろう。今度は落ち着いて事情を説明すると、ハイラは呆れたように首をすくめた。

「うわあ、馬鹿じゃないの。花だかなんだか知らないけど、グレちゃんだって急に部屋に来られたら迷惑だろうに。特に朝は」

言いながらハイラが普通に着替えようとするので、慌てて腕を掴んで引き止める。ハイラは前合わせの紐をほどきかけながら、「あ、そうだ下着履いてないわ」とかなんとか言って手を止めた。どうやらまだ目が覚めてないらしい。

とにかく、ハイラの言うとおり浅はかな行動だったと反省しながら、手に持った花を見やる。握り締めていたせいか随分と萎れてきている。綺麗に咲いているところをグレオニーに見せたかったが、今から彼の部屋に行くのは迷惑がかかるだろう。
なら、せめてハイラに見せておこうと両手を突き出して、彼の顔の前に掲げてみた。

「え、何? ……ああ、花瓶はないからこれで勘弁してよ」

ただ見せびらかしていただけなのだが、勘違いしたハイラが机の上にあった水差しを持ってきた。僕の手から花を取り上げると、水差しに突っ込んでそのままつき返してくる。

「枯れちゃうから、このまま持っていきな。水差しは返さなくていいから。……なんかもうだいぶ萎れてるけど」

ハイラの意外な優しさに面食らい、差し出された水差しを躊躇いがちに受け取る。匿ってもらった上に、水差しまで強奪してしまって良いのだろうか。

しばらく悩んだ末に、僕は花の差された水差しを元の机の上に戻した。せっかく上げたのになんだという顔のハイラに向かって、これはハイラに上げると言った。殺風景な部屋に、一輪の花がよく生えている。

「……あっそう。まあ、綺麗だね。とにかく今日のところはグレちゃんの部屋へ行くのは諦めて、部屋に戻りなよ。途中まで送るから」

そう言うと、ハイラは扉を開けて外を確認し、そのまま出て行こうとする。僕はとっさに裾を掴んで引き止め、首を横に振りながら言った。

下着を履いてくれと。
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衛士さんがとても好きです。
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